保健師国試 用語集

罹患率

一定期間に、対象集団の中で新たに疾病が発生した頻度を示す指標。「観察期間中に新たに発生した患者数 ÷ 観察開始時点の対象集団の人数」で求める累積罹患率と、対象者ごとの観察期間の総和(人年)を分母に用いる罹患率(人年法)がある。有病率と異なり「新規発生」に着目する点が特徴。

有病率

ある一時点で、対象集団の中で疾病を有している人の割合。罹患率が「新規発生」を示すのに対し、有病率は「その時点での断面」を示す。慢性疾患のように罹患期間が長い疾病は、罹患率が同じでも有病率が高くなりやすい。

相対危険(相対危険度)

曝露群の罹患率(または死亡率)が、非曝露群の罹患率の何倍であるかを示す指標。要因と疾病の関連の強さを表す代表的な指標で、疫学における因果関係の判定基準(Hillの基準)のうち「関連の強固性」の評価に用いられる。

オッズ比

症例対照研究で用いられる、要因と疾病の関連の強さを示す指標。「(症例群の曝露あり×対照群の曝露なし)÷(症例群の曝露なし×対照群の曝露あり)」で算出し、まれな疾病では相対危険度の近似値として解釈できる。

寄与危険割合

曝露群の疾病罹患のうち、その曝露要因が原因で説明できる割合。「(曝露群の罹患率−非曝露群の罹患率)÷曝露群の罹患率×100」で求める。例えば喫煙群の虚血性心疾患死亡率50.0、非喫煙群25.0の場合、寄与危険割合は(50.0−25.0)÷50.0×100=50%となり、喫煙群の死亡の50%は喫煙が原因と解釈できる。

敏感度・特異度

スクリーニング検査の性能を示す指標。敏感度(感度)は真の患者を正しく陽性と判定できる割合、特異度は真の健常者を正しく陰性と判定できる割合。基準値を緩めて敏感度を上げると偽陽性が増え特異度は下がるというトレードオフの関係にあり、基準値設定の考え方として頻出。

標準化死亡比(SMR)

観察集団の実際の死亡数が、基準集団の年齢階級別死亡率をもとに算出した期待死亡数の何倍かを示す指標。「実際の死亡数の合計 ÷ 期待死亡数の合計 × 100」で求め、100を超えていれば基準集団より死亡が多いことを意味する。年齢構成の異なる集団間の死亡状況を比較する際に用いる。

健康の社会的決定要因(SDH)

WHOが示す枠組みで、健康格差を生み出す社会的な要因を指す。社会経済的・政治的背景の下で生じる社会階層に関わる要因(社会階層・教育・職業・収入・ジェンダー・人種など)を構造的決定要因、居住・労働環境や心理社会的要因、行動・生物学的要因など、構造的決定要因が健康に影響する経路にあたるものを中間的決定要因と呼ぶ。

プライマリヘルスケア(PHC)

1978年のアルマ・アタ宣言で提唱された理念。住民参加、地域資源の有効活用、適正技術の使用、多分野間の協調、アクセスの公正性などを活動原則とし、開発途上国を含む世界的な健康格差の是正を目的とする。1986年のオタワ憲章によるヘルスプロモーションの考え方と混同しやすいため区別が必要。