第107回 保健師国家試験 午後問48(感染症と対策)過去問と解説
次の文を読み48〜50の問いに答えよ。 Aさん(81歳、女性)。認知症と診断され、症状緩和のための服薬調整を目的として、B病院認知症治療病棟に入院した。入院前から軽い咳嗽はあったが、喘息の既往歴によるものとされていた。入院後2週、39℃台の発熱があり、胸部エックス線写真で肺炎像を認めたので、誤嚥性肺炎の診断のもとに抗菌薬の投与を行った。しかし、解熱しないため、C病院に転院し、喀痰塗抹菌検査陰性、結核菌PCR陽性となり、肺結核と診断されC病院の結核病棟で治療が開始された。診断した医師から保健所に結核発生の届出があった。B病院認知症治療病棟では、4人部屋に入院しており、Aさんの近所に住む長女は2日に1回は面会に来ていた。感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律〈感染症法〉第17条に基づき早期発見のために長女に初回面接を行うことにした。 自宅でのAさんの結核初期症状で長女への初回面接で確認すべき事項はどれか。
- 体温の変化
- 体重減少の有無
- 倦怠感の訴えの有無
- 咳嗽の状態変化の有無
解説
事例文には「入院前から軽い咳嗽はあったが、喘息の既往歴によるもの」とされていたと明記されています。これは実は結核の初期症状であった可能性が高く、自宅療養中の咳嗽がいつから始まり、どのように変化していったかを確認することが、結核の発症時期・感染性を評価する上で最も重要な情報です。認知症のある高齢者では体重減少や倦怠感の自覚的な訴えの把握が難しいため、周囲が客観的に観察しやすい咳嗽の経過確認が優先されます。